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2002年9月15日 日曜日 オーロラの夜のサウナ
ヘルシンキから北へ1,200キロ、北極圏に位置するイナリというラップランドの小さな町。ここは、ラップランドの人々の中心地。フィンランド第二の湖イナリ湖から水上飛行機で進路をさらに北へ。ロシア、ノルウェー共に国境から10キロ地点の友人の地に無事着水。彼の愛犬が出迎えてくれました。今ではフィンランドでも珍しくなったスモークサウナにての歓迎。サウナ室内にあるストーブに薪を入れ、扉を少しだけ開けて静かに焚き続けるのですが、煙突がないので室内に煙が蔓延、温度が上がったところで扉を大きく開けて、煙を追い出してからサウナ室に入り、ストーブの上の石に水をかけ、湿度を上げて体感温度を上げます。体中すすだらけになるのですが、軟らかな温かさは他のサウナの比ではありません。火照った体を涼ませるために外へ出ると夜空には一面緑色のカーテン、一秒として同じ姿を見せないオーロラの営みには、時を忘れて見入ってしまいます。原生林の中のサウナそしてオーロラ、自然と共に生きる素晴らしさを知っているフィンランド人にとってサウナは、文化そのものなのです。